高齢者向け食品の市場規模と2025年予測

 

高齢者人口の増加を背景に高齢者向け食品市場が拡大、2025年は2018年比25.5%増、2,046億円の予測に。
ライフスタイルの変化や慢性的な人手不足を背景に、時短や調理の簡略化需要が高まる。
在宅向け流動食は薬局や量販店でも展開が進む。
在宅高齢者の増加により、宅配サービスのニーズも伸長。前年比で2桁増の施設向け市場は今後も拡大へ。

高齢者向け食品(メーカー出荷ベース)

 

高齢者人口の増加を背景に市場は拡大、2025年は2018年比25.5%増の2,046億円が予測される

○施設向けでは慢性的な人手不足を背景に調理の簡略化需要が高まっている。従来は価格面を重視する傾向が強かったものの、近年は人件費などの総合的なコストを考慮し、加工度が高く提供しやすい、また、栄養価値が高いなどの高単価・高付加価値商品の採用が進んでいる

○在宅向けでは店頭における配荷が拡大することで、流動食、やわらか食、栄養補給食が急伸するとみられる。

[注目市場]

 

○在宅向け流動食は在宅高齢者の増加に伴い市場が拡大している。主要の店頭販売チャネルは薬局・薬店で、近年量販店でも介護用品売り場において面展開されるケースがみられる。

○在宅向けやわらか食は、ライフスタイルの変化から時短や調理の簡略化需要の高まりを背景にレトルトパウチ入り商品を中心に店頭配荷が進んでいる。電子レンジ対応商品など、新たな価値提案により市場は活性化しており、大幅な拡大が見込まれる。

○施設向けやわらか食は、慢性的な人手不足の状況の中、調理を簡略化できることから採用が進んでいる。2019年は朝食向けなど特定シーン向け商品が発売されるなど市場は活性化しており、今後も拡大していくとみられる。

○栄養補給食品はフレイル(虚弱)・サルコペニア(筋肉量の減少)予防に対する関心の高まりを背景に市場が拡大している。在宅向けでは薬局・薬店を中心に店頭配荷が進み、施設向けもゼリー状商品を中心に採用が進んでいる。

 

高齢者向け宅配サービス(小売ベース)

 

在宅高齢者の増加でニーズ伸長、前年比で2桁増の施設向け市場は今後も拡大へ

○高齢者向け宅配サービスは、価格やリードタイムなどのきめ細やかなニーズに対応して弁当を直接高齢者に届ける病者・高齢者食宅配の需要が、近年在宅高齢者の増加により高まっている。

○一方で、従来給食サービスの利用や自家調理を行ってきた施設における人手不足の慢性化による需要拡大を受け、上位企業がコストメリットの高いサービスとして高齢者施設向け完成食宅配の提案を強化しており、市場拡大に寄与している。

○また、病者・高齢者食宅配や病者・高齢者冷凍食通販、食材宅配は、在宅向けだけでなく施設数の拡大が続くデイサービス・デイケアを中心とした小規模施設向けのB to Bルートが小規模ながらも需要が増加している。

○食材宅配のユーザーは大半が65歳以下で、65以上の構成比は1割程度となっているが、ユーザーの高齢化を受けて、カロリー・たんぱく質制限食の調理済み食品の品揃えが強化されており、高齢者向けの実績についても拡大している。

 

[注目市場]

 

○病者・高齢者食宅配の市場は在宅高齢者の増加に伴い拡大。大半が在宅向けであるが、デイサービス・デイケアなどのスタッフ数が少ない日帰り主体の施設や、小規模高齢者施設からの需要が高まっており、各社が販促を強化していることから施設向けも堅調に伸長していくとみられる。

○病者・高齢者冷凍食通販は、高齢者や生活習慣病患者の増加に伴い市場が拡大。近年は糖尿病・腎臓病などの罹患者だけではなく、“未病”を訴求したメニュー開発で新たな顧客層を獲得している。また、高齢者施設への販促も強化しており市場は拡大していくとみられる。

○施設向け完成食宅配は、人手不足が慢性化するなか、調理人員、時間、コストの削減、衛生面でのリスク低減などのメリットから近年ニーズが高まっている。

○2019年は、有料老人ホームや介護保険施設向けに高齢者施設給食を展開する企業で調理人員の確保がより困難となっていることから施設向け完成食宅配への注力度が高まり、二桁増が見込まれる。今後も市場は拡大していくとみられる。

 

 

[調査対象]

高齢者向け食品:流動食、やわらか食、栄養補給食、水分補給食、とろみ調整食品・固形化補助剤、低たんぱく食、施設用冷凍骨なし魚

高齢者向け宅配サービス:病者・高齢者食宅配、病者・高齢者冷凍食通販、食材宅配、施設向け完成食宅配

高齢者向け施設:病院・診療所、軽費老人ホーム、デイサービス・デイケア、介護保険施設、グループホーム、小規模多機能型居宅介護、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅

 

[出典・参考]

株式会社富士経済「高齢者向け食品市場の将来展望2019